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あぁ我が酒呑み人生よ

お酒と読書とお酒

酒場のとある風景 〜サラリーマンの苦悩編〜

酒場のとある情景

今日は私の記憶の奥に残る酒場の情景を、
脚色たっぷりで描くシリーズ。
そう、「酒場のとある情景」をお届けする。

 (誰が興味あんねんw)

 

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どうも、会社の飲み会は疲れてしまう。

別段、楽しくないわけではない。

自分が気を使う分には全く構わないのだが、

それなりの年齢になった今、気を使われる事に

申し訳なさと共に、一抹の疲労感を感じるのだ。

男は30歳を越え、気付けば中堅社員と呼ばれる

そんなポジションになっていた。

 

 

 

 

今日も暑気払いという名目で部署飲み会が開催された。

若手が幹事を担当し、会は課長の乾杯から始まり、

各々、好きなものを呑み食いする。

なにか、祝い事があれば中締め代わりに一言を貰う。

そして、会の最後は、部長の締めの挨拶。

さらに全員立ち上がっての一本締め…で終了。

というのが、いつも定番コースである。

まるでデジャヴのように、今日も同じ流れを辿る。

そして、自分自身もまたそのデジャヴの

1ピースを担っている…

そんなことは分かり切っていることだが、

なんとなくもどかしさが男の心に残るのであった。

 

 

 

 

「二次会のカラオケいきませんか」と、

気の利く後輩幹事が皆に確認をとっている。

基本的に帰宅組と、二次会組の面子は決まっている。

男は幹事に断りを入れたにも関わらず、

どこか申し訳なさそうに帰宅組グループに

身を隠し、駅の方へと進んでいく。

 

 

 

 

 

電車に乗り込むとやっと1人になれる。

池袋駅でいつもの電車に乗り換えて、

このまま帰宅するのがいつもの流れだが、

男は途中で電車を降りて、一軒のバーに向かう。

会社飲み会で感じたもどかしさを

茶色のお酒で流して帰ろう、そう思ったのである。

 

 

 

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木製の厚いドアを開け、カウンター席に座る。

 

「神戸ハイボールをお願いします」

デュワーズでも良いですか」

 

深く頷くと、良い香りのする温かいお手拭きを

思いっきり顔に当てて、深いため息をつく。

バカラだろうか、よく冷えた薄いグラスに、

濃いめのハイボールが綺麗に注がれている。

 

 

 

 

一口目は、お酒への感謝を。

二口目からは、今日あったこと思い出しながら、

胃袋の奥底に茶色の液体を流し込んでいく。

バーテンなどの作り手によって表情は変わるが、

お酒はいつも同じように接してくれる。

そうお互い気を使いし過ぎることもない。

たまに冷たくされて、悪酔いすることがあるが、

それはお酒が悪いのではなく、飲む側が悪いだけだ。

 

 

 

 

会社の飲み会終わりに1人。

バーのカウンターで呑み直す。

今日あったことから派生し、

仕事のこと、家族のこと、将来のこと、

色々なことに思い馳せながら淡々と呑み進める。

そして、いつも同じようにこう思うのである。

「明日もまた変わらない日々が続くのか」と。

 

 

 

 

氷を入れない神戸ハイボールが、

最後の一口まで、その味を変えないように。